NO.3 レジオネラ菌とは?
少し前に某老舗旅館の不適切な風呂の衛生管理で話題となったレジオネラ菌ですが、今回は簡単にこのレジオネラ菌について触れたいと思います。
正確な呼称はレジオネラ属菌であり、レジオネラ属に属する細菌の総称になります。自然界に広く存在する細菌で、水の中で増殖することがあります。繁殖温度は20~45℃とされており、感染するとレジオネラ症を発症する場合があり、特に抵抗力の弱い乳幼児や高齢者においては重篤な症状になることもあり、毎年死亡例も報告されています。近年、レジオネラ症の感染者数、死亡者数は増えているため、感染しないための簡単な知識は得ておきたいところです。
つぎにレジオネラ属菌がどのように人に感染するかですが、主にエアロゾル(ミストや霧状の水)の状態で、口や鼻から吸入することによって感染します。
繁殖しやすい場所は、水やお湯が一定量で貯められていて、「ぬめり」が発生しやすいような所です。
冒頭の浴場やプールの他、加湿器、クーリングタワー(冷却塔)などでも発生の事例が多く報告されています。一方、当然ながらこのような場所の多くについてはレジオネラ菌に対する基準が設けられており、厚生労働省が公衆浴場で基準値と検査回数を、またクーリングタワーでも基準値を決めています。某老舗旅館の場合は、この基準を守ってなかった上、換水(この場合は浴槽内のお湯の入替)を全く行ってなったため基準値をはるかに上回るレジオネラ菌が検出されたわけです。
それではレジオネラ菌を発生させないためには、どうすればよいのでしょうか。
清掃や換水をきちんと行い、「ぬめり」を発生させない清潔な環境を保つこと、適切な消毒等水質管理を行うことなどが挙げられます。家庭でも加湿器の水はなるべく入れ替えるようにしましょう!
さて、最後に浄水器メーカーとしてのコメントです。
レジオネラ菌の大きさは、長さ2~20ミクロン、幅0.3~0.9ミクロン。浄水器のろ材※に中空糸膜を使用している場合、中空糸膜フィルターの孔径が0.1ミクロンのため、レジオネラ菌を通過させません。もちろんレジオネラ菌以外の一般細菌も大きさは約1~10ミクロンのため、同様に中空糸膜ろ過は有効です。
まとめ:適切に管理されている水道水中において人体に影響を及ぼすレベルで菌類が増殖する可能性は極めて低いですが、万が一に備えた菌対策として中空糸膜入りの浄水器をお勧めします!
※ろ材:ろ過に用いる材料